理想の男性像
                 産経新聞 夜明のエッセー
                 平成30年3月10日

 私の家は外で働く父と、専業主婦の母、大学生の姉と私の4人家族だ。両親は結婚して21年になる。


 家族構成と形態はごく普通だと思っているが、私の家族はほかの家族とは違うのではないかと思うことがある。それは父の、家族に対する、特に母に対する愛情が尋常ではないのだ。

 たとえば、母が忙しくて夕食が全てできあいのものでも、父は必ず「おいしかった。ありがとう」と母にひと言言うのを忘れない。また、母が何か作業をしているときには、甘いものの差し入れを欠かさない。母の代わりに買い物を引き受けることも多い。

 もちろん,私たち姉妹に対しても、出かけるときの送り迎えや、好きなスイーツの差し入れを頻繁にしてくれる。父は「家族サービスマン」なのである。

 なぜ、父の行動について述べたのかというと、私たち姉妹には全くもって反抗期というものがなかったことに気がついたからだ。学校から帰った後も自室にいることはなく、家族との団らんがずっと続く。

 周囲の友達が言う「父親の洗濯物と自分のものは一緒にしてほしくない」といったような話も、わが家では無縁で、なぜ嫌悪感を抱くのかがわからない。

 今まで気づいていなかったが、家族の平和は父によって保たれていたのだ。また、父の影響ではないかと思えることがもう一つある。それは私のとった行動に対して、「よく気がつくね」とお褒めの言葉をいただくことが多いことだ。

 それは、父が私たち家族にしてくれるように、人に気遣いをもって接することを無意識にしているからだと気がついた。父に直接言うことはないが、私は将来、父のような人と結婚したいと心から思っている。

松尾佳奈(17)
高校生 兵庫県姫路市